20140411エネ計画の議論の経緯「遺憾」 福島

2014-04-11 71

政府は11日、国の中長期的なエネルギー政策の方針となる、「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。
計画の策定をめぐって、政府案では、冒頭で記載されていた、原発事故への「深い反省」という記述が、途中段階の案でいったん削除され、再び盛り込まれていて、
福島県の佐藤知事は、こうした経緯について「原発事故の教訓が忘れられ、すでに風化が進んでいると受け止めざるをえない」として、遺憾の意を表しました。
政府は、11日に開かれた閣議で、国の中長期的なエネルギー政策の方針を示した、「エネルギー基本計画」を決定しました。
計画の策定をめぐっては、ことし2月にまとめられた「政府案」と、途中段階の「修正案」、さらに11日に決定された「計画」とで、東京電力福島第一原発の事故にかかわる記述が変化しました。
ことし2月にまとめられた政府案では、「はじめに」と題された文章の一番最初の部分で、「福島の復興・再生を成し遂げることが、エネルギー政策を再構築するための出発点だ」としたうえで、
福島第一原発の事故にふれ、政府や原子力事業者が「『安全神話』に陥った」として、「悲惨な事態を防げなかったことへの深い反省」を忘れてはならないとしていました。
これについて今月4日、自民党の部会に示された修正案では、福島第一原発の事故についての記述が、「はじめに」の中盤に移されました。
また、『安全神話』や、事故への『深い反省』といった文言が、「はじめに」からは削除されました。
11日に閣議決定された計画では、「安全神話」や、「深い反省」などの文言は盛り込まれたものの、記述の場所は修正案から変わらず、「はじめに」の中盤となっています。
これについて、福島県の佐藤知事は、11日の定例の記者会見で、「原発事故は今も収束していないなかで、策定された計画は、事故の反省を出発点とするのが当然だ。
一時的とはいえ、『深い反省』という言葉が削除された経緯はまことに遺憾で、原発事故の教訓が忘れられ、風化が進んでいると受けとめざるをえない」と述べました。

04月11日 21時10分